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いちじくとおまじない

今昔智慧Seekの第1号はいちじくです。

ケルト民族は1年を35の月と4つの季節に分け、各々に守護樹を割り振り、それをツリーサークルと名づけて語り継いできました。

このブログの滑り出しには、現在の季節にあわせてそれらの樹を紹介しつつ、その間に他種類の記事を織り交ぜてスタートします。

ツリーサークルの守護樹の時期に生まれた人には特有の資質があると言われています。いちじくの期間は6月14日~6月23日、12月12日~12月21日

「この時期に生まれた人は、繊細なために、しばしば人生がつらく思えることがあるかもしれません。でもこのつらさは幸せと表裏一体なのであり、つらさに耐える人だけが本当の意味での幸せを味わうことができるのです。一番日の長いときや短いときに生まれているので感情と理性、平穏と性急さ、幸せと苦しみの間でバランスをとりにくいのです。」『木の癒し』ギーゼラ・プロイショフ 小川捷子訳 飛鳥新社

さて、いちじくと聞くとその葉で裸身を隠したアダムとイブを思い出す方も多いでしょう。いちじくに関する話は『創世記』、『旧約聖書』、『新約聖書』などに、有用な果樹としてぶどうやオリーブとともに記載されています。アジアの南西地方やシリアが原産と考えられますが、エジプト、パレスチナでも紀元前から栽培されています。

古い歴史をもついちじくはまた、不老長寿の果物、生命の樹、知恵の樹というありがたい名を持っています。昔から民間医療薬として広く知られ、ミネラル豊富なアルカリ性食品です。実、葉ともに薬効が高く、実の効用としては血液浄化、整腸、便秘解消、美肌、免疫力向上、疲労回復など。葉は生、乾燥ともに浴槽へ入れていちじく湯とすれば、血行を促し、神経痛、リウマチ、痔に効果があると言われています。

ここまでは、調べれば出てくる情報ですが、以下からは私が実際に聞いた話です。

ある方は太平洋戦争より前から痔に苦しむこと、実に50有余年。2回の手術で好転は望めず、あらゆる治療法を試みたそうです。たとえば「ほうろく灸」。ほうろくとは素焼きの平たい鍋で昔は火鉢の上で米、ごま、豆、塩などを煎るときに使いました。そこへ火をつけたモグサをのせて頭にかぶる。数十人が一緒にかぶる。お経を聞きながら痔の完治を祈るというものです。今でも日蓮宗のお寺などで受けられるようです。痔のみならず、頭痛、腰痛、肩こりなど諸所の病気に効くという話ですが。

治る人もいるので昔から続いているわけですが、その方の場合効果は残念ながらゼロ。それからまた何年経ったことか。あるとき、あるおばあさんがやってきて、こんな智慧を授けてくれました。

「土用の丑の日に、いちじくの葉がついている枝をとってきてトイレの中につるしなさい。そうすれば痔は治りますよ」

そして1年に1回しかない土用の丑の日がやってきました。長さ30センチほど、葉の数も4、5枚というささやかないちじくの枝をトイレにつるしてみました。葉の芳しい香りが漂うばかりです。それからまもなく、数週間もたたないうちに気がつけば本当に「完治」してしまったのだそうです。他に変わったことは何もしていません。ウソのようなホントの話です。

そのおばあさんは、今ご存命なら100歳くらい。ご実家は栃木県、ご主人の出身は福井県永平寺のそばということです。どの地域の伝承かは知る由もありません。どなたかご存知ですか?

いわゆるいちじくのおまじないとも言えるこの方法には、極意があるそうです。

  1. 絶対的に信じきって行うこと。
  2. 迷いがあるときは行わないこと。

それでも皆が治るわけではありません。信じきるという、プラシーボ効果なのか、ひょっとしたら葉のアロマテラピー効果があるのか、これは実験結果を待つしかありませんね。あるいは、現代の科学では説明不可能な作用があるのか・・・・。いちじく湯が痔に効くという情報もありました。

迷信と片付けられてしまいそうなこの例、でも、どこかで今年の土用の丑の日(7月28日)をうなぎの他に待ち遠しく思っている人がいるのかも。上記の方は完治した年以来一切再発はなく、毎年その日に前の年のいちじくの枝をとりはずし、新しい枝に取り替え続けているそうです。

わが庭のいちじくはあっという間に2センチほどのかわいらしい緑の実をつけました。あの甘さにありつけるのが今から楽しみ。いちじくの実のメニューには、とろけるように甘い甘煮、赤ワイン煮、舌触りも楽しいジャム、生がのっているフレッシュさがうれしいケーキなどのスイーツや、美容健康のいちじく酒、割と知られていないいちじく酢は免疫力向上、疲労回復などに効き、市販もされているようです。果物は旬が一番おいしい!ちょっと高価ないちじくですが、十分熟したいちじくが手に入ったら、葉っぱのおまじないも思い出してみてくださいね。

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カテゴリーの説明

記事を掲載する前に、カテゴリーの説明をします。

様々な智慧を分類するには、多くの方法があります。

まずは有形、無形の別、素材別、形態別、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のような五感別、時には第六感も。無形には信仰、宗教、哲学、スピリチュアリティーなども相当するでしょうし、智慧の実施は自力か他力か、個人か複数か、費用がかかるのか、かからないのか、時代は?目的は?などなど、多方面から分けることができます。

ここではだいたい以下のように分類していく予定です。                              

鉱物、植物、生き物、紙・布・染め・織り、紋様、色彩、香り、食・生活、健康、音楽・芸術、伝統文化、儀礼、歴史・考古学・民俗学・天文学、神秘・スピリチュアル、最先端情報、コラム、その他

                                

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智慧が伝承されるワケは?

智慧が誕生し、代々伝承されていくのはなぜでしょうか?

賢く心地よく健康に、運よく平和的に生活できること

人々はこのような生活に憧れてきたのではないでしょうか。

昔は現代のように便利な生活ではなく、まずは自分たちを取り巻く自然との共生を念頭において智慧を搾り出し、日々生活してきました。必要なものは自分たちで手作り、暦と照らし合わせて農作をし、あるいは自然のリズムに合わせての様々な工夫。

                                                       

先人は先人の智慧に守られ、さらに智慧を重ねて、私たちがより便利になってきたのです。ただし、私たちがより便利になった裏にはマイナスの面が増長してきたことも事実です。このテーマについてはまたの機会に譲りましょう。

効率的、機能的、便利という目的の他は、健康、治病、長寿、無病息災、厄難消除、魔除け、商売繁盛、開運、子孫繁栄など、これは神社仏閣の祈願そのものですね。

古はまさに雄大にしてコントロールできない自然の中に生きていましたから、今以上に不可視の存在、神への畏敬の念が大きかったのだと思います。見えない存在からの加護を祈って真摯に智慧を巡らせていました。

農耕民族にとっては五穀豊穣のために神に供物を捧げ祈り、収穫の際には感謝と喜びの念を祭りとして祝い、それは地域社会、コミュニティーにとっては欠くことのできないものでした。それらのメニュー・手順の中に人々の楽しみが組み込まれているのも彩り豊かです。

各種儀式、おまじないなど形式的に見えることも、実は科学的に意味がありそうなことも最近ではわかってきました。私はそれらの行為、ものの中には抗菌、脱臭、防汚が関わっていることが多いことに注目し、これらが健康を害するものへのシールドになっているのではないかと予想しています。

他に、物を大切にする心、相手方への礼をつくすという、様式、事物の工夫があります。これは双方が気持ちよくコミュニケーションできるという、いわば型づくりの意味があるでしょう。スムーズな人間関係への智慧、これは平和、美しさにも通じます。

以上のように智慧はあらゆる方面での成果が期待されるものです。明らかに有用なもの以外に、見て美しい、触って心地よい、嗅いでかぐわしい、味わっておいしい、聞いてうっとり、という智慧もありますね。こうなるともう芸術の世界です。いい音楽を聴きながら麗しい和菓子を頂くことを想像してしまいました。

最後に忘れてはいけないのは、先人の暮らし、つまり自然と共生しているという生活は、もちろんエコロジーに配慮している「持続可能な世界」を目指していた、ということです。現代の私たちにとってかけがえのない伝承の智慧を活用していきましょう。

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今昔智慧Seekを開設します。

みなさん、こんにちは。

「今昔智慧Seek」のサイトへ、ようこそいらっしゃいました。

                                                                                                                        

このブログでは世界各地に伝わる古から伝承されてきた智慧、最新の智慧までざっくばらんに綴っていこうと思います。私たち現代人の生活は先人たちの経験や創意工夫の積み重ねの上に成り立ってきたと言えるでしょう。

                                                                                                                        

悠久の時の流れに練磨され、その中で生きのびてきた有用で実践的な智慧をぜひ、今一度意識してみませんか?、また、すでに忘れ去られてしまったり、埋もれ行く智慧を緊急救助、再利用してその恩恵を享受したいものです。

                                                          

最近では、時には非科学的と言われてきた伝承の智慧が見直されつつあり、建築、治水、医薬、環境保全などに生かされ始めています。伝承の智慧と現代の智慧、技術がスクラムを組んでさらにステップアップした例が産まれているという事ですね。

一口に伝承の智慧といってもその形態は様々です。

身近ないわゆるおばあちゃんの智慧袋、底力のある口コミ、よくわからないが語り継がれる言い伝え、しきたり、ならわし、彩り豊かな民話、伝説の中の教え、玉石混交かもしれないが無視できない迷信、長老の賢い忠言、ストーリー・テリング、その筋でしか伝わらない口伝、ワザの継承である匠の智慧、地方に伝わるその土地特有の智慧、世界各地の先住民族のIndigenous knowledge土着の知)など。現代に至っては一般人が智慧をしぼった発明、実用新案、特許、研究機関の実験室で産声を上げたほやほやの智慧・・・・これらもやがて磨きのかかった伝承の智慧と成り得るでしょう。

これらは言葉で説明できる形式知から、大工の棟梁や芸事の師匠、杜氏などが自らの体をもって弟子に伝える身体知という、言葉で説明しきれない暗黙知によるものがあります。

このブログでは管理人が出あった様々な書物、資料、実際に見聞きした体験を踏まえて、多くの角度、切り口からアプローチしていきます。

情報を扱う範囲の関係上、必然的に広く浅くのスタイルとなりますが、小高い山に登れば景色全体が見渡せるのと同様、鳥瞰図的な視座からスケッチしていき、何かしらの関係性が見出せればと期待しています。

なお、上記の古めの伝承の場合、このようなITと距離があるシニアの方が多いと想像されます。記事を読まれてから身近なシニアの方や、ご両親、おじいさん、おばあさんたちにお話をして、何かの情報があればご自身がご存知の情報と共にお知らせして頂ければ幸いです。ローカルな智慧が遠く離れた土地で繋がっていることを発見できたり、新たな智慧を発掘できればすばらしいではないですか。

智慧は共有知であり、宝です。どうぞよろしくおつきあいください。

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