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ドジョウインゲンの緑

午後からは、苔むした和風の庭をガラス越しに眺めるひとときがあった。小ぬか雨に濡れる庭はそれぞれの葉がしっとり濡れて、時折しずくがツーッ、したたり落ちる。反動で葉がはねる。西欧のガーデンであれば、花が雨に濡れてかわいそう、辛抱してね、と声をかけたくなるかも知れないが、和の庭はそんな憐憫の情は涌かず、ひたすら緑と共に潤う気分になる。

ガーデニングにはずいぶん時間とお金をかけた。夢中な頃は休みのたびに植木屋、ガーデニングショップへ足を運び、珍しいものを買いまくり、日々庭には新入りが増える。プロのデザイナーにも設計してもらった。ところが、いまやラティスは朽ちかけ、花もさびしく・・・・。しかし、デザイナーお勧めの宿根草はすべて残っているので、脱帽である。手をかけなくてもサバイバルな環境にもめげない種類を選定してくれたのである。雑草はあきらかに、住む人の体調に関係してくる。あまりに伸びてしまったときは、散髪してやってください。自分もさっぱりしますから。

最近は和の植物に魅力を感じている。華やかさより、シンプルさに。夏にセキショウを手に入れたが、今は冬支度に入り始めていささかわびしい。常緑樹の勢いには元気づけられるが、季節と共に姿を変えていくものも無常でよい。深く眠った後は、また新鮮な緑を見せてくれる。

緑といえば、帰りの駅で、若い女の子たちがくすくす笑っていたので、その視線の先を見ると「えっ??」スピード写真のカーテンの下あたりに緑が見えるのだ。よく見ると、中でしゃがんでその緑を箸でつまんでいる手が見えた。はたして緑は、ドウジョウインゲンのおかずであった。スペースの有効利用と言うかなんと言うか。ジベタリアンではなく、人目を忍んでの夕食は野暮でもない。

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