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爆竹・花火・年獣

春節、旧正月の話。

北京の市街地は1月29日の春節を祝う爆竹、花火を12年ぶりに解禁した。

6・4、天安門事件を市民に思い出させないためだとか。あれだけ、爆竹好きの中国人にとって、それはそれは厳しい規制だったであろう。

といっても制限つきの解禁で、元日は24時間、翌日以降は午前0時~午前7時まで。

結果、爆竹、花火でのけが人は112人、大気は軽度の汚染が観測され、燃えカスはなんと458トン。死者がいないのは珍しい。

中国南部の地方都市の友人宅で、春節を迎えたことがある。

紅白のような歌番組を友人の家族とともにそろってみてから、深夜0時の到来と同時にけたたましい爆竹の音が轟き始めた。

ベランダに出ると、あたりは真っ白。もうもうと煙が立っている。まるでガスで取り囲まれた山の中のようで何も見えない。火薬の鼻を刺す匂いでむせそうだ。

中庭に出た私に、友人は有無を言わさず、点火した40センチくらいの太い花火を持たせ、上に向けろ、という。

「そんな、火花を頭からかぶってしまう。危ないよ。」

「何言ってんの、平気、平気、みんなこうするものなの!!」

金色に輝く、まぶしくも危険な火花の噴水であった。足元にはパンパンパーンと爆竹。

もともと爆竹というものは、年獣を追い払う目的で始まったという。

年末になると、ニエンニエン(年年)と鳴いて、田畑を荒らしにくる怪獣がやってくる。年獣と呼ばれており、武術の達人が年獣のかぶりものをかぶって爆竹とともに追い払った後、その村には、豊作が続いた。この伝説から新年には爆竹を鳴らし、獅子舞を舞い、豊作を祈願するようになったという。およそ2000年前の話である。

爆竹、花火・・・・音と煙と光、高温。火薬の匂いはのどの奥まで入り込む。

十分五感を刺激する、邪を祓う魔除けの儀式。ニエンニエンと鳴かない獣でも爆竹を鳴らせば、巣に帰っていくだろう。その季節に流行る風邪もいぶされそうである。

日本に獅子舞はもたらされたが、爆竹の派手な音は好みに合わなかったのだろうか。木造家屋に爆竹は危険である。

日本の新年の行事では鬼が松明をもって暴れたりする、松明式、鬼追い式という儀式がある。鬼を追って1年の豊作と家内安全を祈願するもの。

形は異なるが、両国とも新年の「火」は神を招く一方、悪霊を祓う点で共通している。

爆竹はだいたい、学校が休みになる夏休みの夜によく耳にする。これは中、高校生のストレス発散。近所迷惑。

ストレス発散、および自己存在証明に車の中で爆音をかける人もいる。

音と光と煙で新年は華々しく明ける。2000年前からのウィンターマジック・イン・ザ・スカイ。そして正月料理で舌鼓。ゴロゴロしていれば、正月太り。

立春も過ぎて、これから春への準備が始まる。防寒もあとひとふんばり。

2月12日まで横浜中華街では獅子舞を見ることができる。

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