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インタラクティブ東京2006

私たち家族が常連でもある、日本科学未来館で9月16、17日の2日間、インタラクティブ東京2006年を開催するというので、最終日の早朝でかけた。

このイベントを知らせて下さった出展者でもある岩井俊雄さんによれば、

 この「インタラクティブ東京」というイベントは、
 シーグラフのEmerging Technologiesに日本からの発表が非常に多いのに
 国内ではそれらをまとめて見られるチャンスがないのはおかしい、
 ということで始まったものです。

入場料は無料、奥のスペースはなにやら暗く、湯気が立っているような空間だった。まだスタートしたばかりなので、人はそれほど多くないが、見たこともない装置がそこらここらにひしめいていた。

まずは、学生たちの最新研究成果の展示、人気投票のシールを頂く。

子供が頭に装置をつけて、テレビゲームのように画面の男の子を駆けさせる。海のそばでは海風が頭の周りの装置から吹きつける。ゲーム内の動作と連携して、現実の自分にも風が吹き、臨場感を感じさせるシステム。いわば触覚、温度がプラスされたバーチャル体験である。リアルな体験には到底及ばないが、そのような体験をできない状態の子供達にも楽しんでもらえそうである。

両足に装置をつけ、両手を動かすと画面の4つの手が動いて、画面の中の物を動かせる仕組み。見ていてじれったい。実際の足が手に表現されているところが頭の中で変換しづらいし、せめて色分けしてしてほしいと思った。

手に懐中電灯みたいな棒をもたされて振ると、目の前の数本の透明の筒の中の水が噴水のように吹き上がる。噴水を自由自在に操れる。魔法使いか、魔術師か?これはわかりやすく、気分がよかった。

テーブルの上のポットとお菓子皿が動き、時にケンカする。私が寄ると恥ずかしい?と向こうへ逃げたり。見ているだけだが、子供にとってはこれが一番不思議で面白かったらしく、シールをペタン。動くお皿の上のペコちゃん飴をもらって離れようとしたら、サイドテーブルがひとりでに動いた!「パソコンは使ってませんけど」、だそうですが。

子供が頭に装置をつけて、口の前のわりばしを噛むと、画面の獅子舞が歯をカチカチさせる。、花火をうまく噛めると、夜空に花火があがるのだ。しかし、本人は声を出せないし、花火があがっても学生は声を発しないので、ひたすら静かなゲームだった。

いろいろ体験したけれど、一番「やった」と満足したのは、北陸先端科学技術大学院大学の「ぐーるぐる」。張りぼての大きな魔法の壺があり、あらかじめ入っている杖を両手で握ってかき混ぜると、実際にかき混ぜている感覚があり、大きなスクリーンの中の世界がぐちゃぐちゃに破壊される。ビルの真ん中に杖(自分が持っているものが絵になる)が出現し、かき混ぜると、「キャー!!」と逃げ惑う声と共に、ビルが真っ二つになり、粉々になる。杖の頭をポンと押せば、壊れたものが杖に巻き付く。躊躇せずにかき回せ続けば、破壊率100パーセントと出る人もいた。

スクリーンにピラミッドとスフィンクスが現れて、杖を回すといつの間にかピラミッドもスフィンクスが壊れて、砂漠に転がっている。へぇーと見ていたら破壊率38パーセントどまり。周りは盛り上がっている。

文化財破壊なんてけしからんけど、ストレス発散に一役買ってしまうゲームか。海をかき混ぜて魚を跳ねさせるとか、雲をかき混ぜて雷さまを飛び出させるか、そんなストーリーの方が平和でしょう。これなら1週間に1度はかき混ぜたくなるかも。

なぜ、面白かったかというと実際に両手を動かして、ゴロゴロかき混ぜている感覚があったから。しかもその感覚は今でも残っている。やはり、身体を使った体験は感覚に刻まれるからだろう。英単語も書けるようにするには実際に書いて練習するのが一番。動作と共に覚えること。

他、物まねロボットハンド、指揮者のように手を振るだけで、楽器のテンポや強さを思い通りに操れる装置、これは、指揮者や演奏家になった気分になれるかも。スプーンで器からすくう動作をすると、スクリーンの水をすくったり、かきませたりできる装置、植物にセンサーをとりつけてうちわで扇ぐと植物が楽器になる仕組み。これはいろいろ応用ができそうである。

シャボン玉の中に煙を注入すると映像を投影でき、割ると音が発生する装置、これは集まってきた子供たちにとっては音は関係なく、音が鳴る状態になる前に割ってしまうのであった。学生が「破壊欲求なのかな・・・。」 いやいや、それだけではなく、天に上っていくシャボンを掴みたいのだ。生まれてはすぐに消えていくシャボン玉、はかない、と思いつつまたシャボン玉が出てくる。ここにいてはエンドレスである。沢山の子供達の目があまりに真剣で思わず微笑んでしまうほど。

岩井さんのモルフォビジョンはテレビで何回か拝見したことがあるが、やはり実際に見ると「うわーー!!」なのであった。と、この声が彼のねらいでもあるのだ。高速回転する赤い屋根の家に特殊な光を照射することで、硬い物体が波打つように軟らかく変化したり、バラバラになって見える。その種類20種類。自分で選択して回すことができる。

感覚のリセットとでもいうのであろうか。こうあるべき姿がそうでなくてもよい、そんな感じがしてきて、却って頭が楽になるのである。モルフォビジョンはサプライズのプレゼントとやわらか頭にしてくれる効果がありそう。学生のブースと違って完成品なのだ。

非常に楽しかった。ところが、さすがに脳みそは疲れた。それぞれ新しい体験であるし、しかもそれぞれを理解するまでにそれなりの時間を要するから。学生の部は、まだ完成度が高いわけでないので、そこら中調整中だった。でも、こんな中からすごいヒットが将来出るのかもしれない。学生たちが楽しみながら研究している姿に好感を覚えた。

必要に迫られて智慧が生まれる場合も多いが、好奇心も新たなる現代の智慧を生むのであろう、と思った。

これからは、今までのバーチャルさをどうやって、人間の五感と結び付けていくか、連携させていくか、課題となっていくのだろう。常に初心に戻って、身体感覚、五感すべてを大切にしてほしい。

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