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ヴィーナス・蘭亭序・バロック・アラカルト

4月以降の文化・芸術系抜粋メモ。

なかなか、忙しくて詳細に書く時間がないのです。

・アートフェア (東京国際フォーラム)

西嶋先生の筆跡が箱のふたにある、発掘品もあり。敷居の超高い古美術店もこんなイベントの時には、おじゃまできる。与謝野晶子、福沢諭吉の直筆掛け軸も!値段がついてる・・・。上の広場の大江戸骨董店ではお目当てのものをゲット。みつかるもんです。

・ウルビーノのヴィーナス(国立西洋美術館)

ティツィアーノのがやっぱりよかった。思ったより大きい。背景の長持ちの中から衣裳を出しているメイド二人、壁紙、後ろの鉢植えがその時代を表していて興味を持った。

ローマ時代の模刻だが、ドイダルサスのアフロディテは何度も振り返るほど。文句なし。

・ミュージアムコンサート ヴィーナス ~愛と美の調べにのせて~(国立西洋美術館)

フルートは立花千春さん、ハープは宮原真由美さん。主催者側のリクエストに答えて、テーマのイメージに沿う曲、だそうだが、フルート用ではないので、苦労された模様。単にメロディーがあるからいいでしょう、ではないのである。フルートにはフルート用アレンジがあるのだし。外は嵐なのに、とても優雅なひと時を過させていただいた。

・オペラ 「エフゲニー・オネーギン」(上野文化会館)

昨年に引き続き、子供のお供。小澤征爾さんも中央に座っていらした。赤いジャケット片手に。指揮はピエール・ヴァレー氏。今回は会場の子供たちがわかるパフォーマンスも入っていたようで、昨年のタンホイザーよりはるかに評判がよかった。だいたい、内容がわかりやすい。一般用の配役より、皆若手。オネーギンの声、よかったなあ。グレーミン公爵の出番は少ないのに、あの存在感には圧倒された。

好田タクトさんは、昨年はワーグナー、今年はチャイコフスキーに扮されていらしたが、やはり、本職の「指揮なりきり」も披露していただきたい。

東京オペラの森のイベント、オーケストラ公演 ピアノがユンディだったのだけど、チケットがとれず断念。そのうち生を聴きたい。彼の重慶なまりも。

2000年の、あのショパン国際コンサートでは、実はユンディより3位のアレクサンダー・コブリンの方が印象に残った。今年来日!

85年は、ルイサダ先生が5位で小山実稚恵さんが4位だったのだ。

・薬師寺展(東京国立博物館)

展示品がいつもより少ないので、ゆったり見ることができた。人は多かったけど。BSで前もって特集を見ていたので、わかりやすかった。日光菩薩、月光菩薩、この力強さ、おそばにいるだけで、この安心感。塔の部品展示で、大きな発見をして満足。日々、取材である。

・薬師寺展 記念歌会(東京国立博物館 平成館 大講堂)

心のまほろば 薬師寺を詠む

NHKの公開録画。選者は佐々木信綱先生(大学のとき、般教で受講)、俵万智さん、司会は平野啓子さん。イントロの平野さんの朗読は大画面からの声だとばかり思ったのに、目の前の声とわかり、いたく感動。プロはすごい。最終まで残った五首は、すべて最初からいいな、と感じていたので、自分の審美眼を誉めよう。

・蘭亭序(書道博物館)

蘭亭序ざんまい。王義之の本物は皇帝と共にお墓の中ですが、それぞれの蘭亭序はそれぞれに味わいがある。内神田の東書店のカバーが蘭亭序と気づいている人はどのくらいいるだろう。書ばかりクローズアップされるが、書いてある内容のスケールが大きくてすっきりする。

・平山郁夫とシルクロードガラス展(古代オリエント博物館)

パルミラを発掘された林先生にチケットを頂いた。ガラス製作技術史の輪郭がわかって、とてもよかった。メソポタミア、テル・ウマル遺跡(3800年前)のガラスの秘伝書とは、興味深い。自分たちが何の気なしに使っているガラスは、智慧の結晶と改めて認識した。ローマのガラス容器は今とほとんど変わらない。ローマで発展したものは驚くほど多い。

・東京六大学ピアノ連盟企画演奏会2008 Beyond(文京シビックホール)

浅野稔子さんはドビュッシー、植松洋史さんはカプースチン、金子一朗さんはベートーベンとスクリャービン。浅野さんはピアノの先生もしていらっしゃるが、他の方は本業が別にある。ピアノが好きで好きで続けて、しかも腕前はプロ以上。一台のピアノで、これだけ音色が違うとは!!弦楽器や管楽器と違ってピアノは誰にでも音は出せますが。実はピアノは人によってこれだけ出す音が違います。指の太さ、長さ、筋肉、強さ、タッチする場所。一音一音、計算ずくで出している音。深い。今年のマイブームはドビュッシーとスクリァービン。

・紫禁城写真展(東京都写真美術館)

百年前の紫禁城の写真と現代の写真。紫禁城の前は数えられないくらい通った。前は車がぶんぶん。それが、百年前は当然のことだが、一面むき出し、雑草も生える大地だ。以前、展示品の写真は自由に撮れたが、昨年あたりから禁止になったらしい。もっと撮っておけばよかったな。映画を見せて頂いたが、これがなかなか参考になるものが多かった。天井裏まで見ることができたのだから。康熙帝のとき、梁九がいたからこそ修復できたのである。

・岡鹿之助展(ブリヂストン美術館)

ひたすら静謐、どの絵を見てもストンとグラウンディンするような感覚だ。なかでも雪シリーズがしんしんとした雰囲気を伝えている。そうそう、私が森で見た雪はまさにこのとおり。お公家さんのような容貌だが、出身はそうではない。声を聞いてみたいと思った。パンジーは私がパンジーを認識した時代に描かれたもの。今はたくさんの種類の花があるけれど、当時、パンジーはしゃれた花にうつった。

・古代ギリシアのアングルハープ 復元と演奏(ブリヂストン美術館)

元国立劇場演出室長の木戸敏郎さんのライフワークである、アングルハープ複製のレクチャーコンサート。筝曲家の西陽子さんが演奏。正倉院の箜篌(くご アングルハープ)にいきなり、詳しくなってしまった。漢代、くごを使うようになった背景が自分なりに理解できるようになった。これは大きな収穫である。どこかで発掘されればよいのだが。

・長江哀歌(東京都写真美術館ホール)

観客20人以下。ゆったり鑑賞することができた。三門峡ダム工事に翻弄される人々のエレジー。主人公たちの会話のさなかに、轟音。ビルが次々と爆破されていくのだ。破壊と再生の繰り返しの中国史を髣髴とさせる。そして、水を治めたものが勝者だ。

5月の四川省大地震。水の恵みがあったからこそ栄えた四川盆地だが、その水、今は海子(堰止湖)に脅かされている。四川省は決して地震が少ない地ではない。1933年の茂県畳渓鎮(ぶん川、専門家はびん川と呼ぶ の隣の県)では7000人近く亡くなり、堰止湖は2つでき、45日後に決壊、さらに2500人死亡。1986年には再び堰止湖が決壊しているのだ。この歴史がわかると、今、必死に堰止湖の水を人工的に処理しようとしている意味が見えてくる。

被害のひどかった都江堰には、20年前にたった一人で訪れたことがある。治水を成功させた李冰(りひょう)のしごとを見るために。震え上がるほど、しぶきのあがる急流だ。あの道行く人々はどうしただろうか。

・目白バロック・トークコンサート(雑司が谷音楽堂)

毎年行う、目白の音楽祭の中のひとつ。これはピティナ・ピアノステップが実施。プロによるトークコンサートの前も聴講可というので、早めに行った。子供たちのふつうの発表会と思いきや、そのレベルの高さに舌を巻いた。出演回数50回の学生も!いや~この中から、将来、スターが出るかも、と思うとダイヤの原石を見るようであった。バロックの譜面をたくさん注文してしまいそうである。不断の練習が必要であるが。すべてバロックの曲だったので、特にそうなのかもしれないが、左右の脳のバランスが取れてくるような感覚があった。自分で日々弾けばもっとよいのである。時間が許す限りだいたい毎日練習している。

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